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今月の1冊 「父が愛したゾウのはな子」に改めて想う

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4月1日以降、長年親しんだ飼育員さんたちともお別れし、直接飼育から間接飼育に移行したはな子さん。来園者も幸せな気分にさせる”名物”のスキンシップの機会はほとんどなくなりました。ホースやほうきのオモチャもありません。2年ぶりに再会した飼育員さんと一緒です。ほんの一瞬でも撫でてもらいたくて頭を下げる健気な姿を見ると、「はなちゃん、一人じゃないよ。みんな大好きだからね」、って心からパワーを送らずにはいられません。

「このゾウは、ほかのゾウと違う。同じ尺度で考えたらいけないな」
そう思ったときから、はな子との付き合いが始まりました(著書本文より)。


今回、はな子さんが絶大な信頼を寄せる飼育員2名が離れ、飼育方法も一変したことで、改めてこの「父が愛したゾウのはな子」を読むと、日本の動物園の動物を巡るさまざまな事情について考えずにはいられません。

先日、動物園仲間の先輩とはな子さんを見ていた時のこと。

先輩はゾウがあまり好きではありませんが、根っからの動物好きなので目の前にした瞬間、結局、面白くて丹念に観察をしてしまうという人です。

はな子さんと同じ放飼場で掃除をする飼育の人を見ていたその先輩がこう言いました。

「すごく緊張感があるわね。そう思わない?」

え?

Mayaには一瞬、何を言っているのかよくわかりませんでした。なぜなら、はな子さんの姿をひたすら追い、その時々のはな子さんの気持ちに入り込こんで見ていただけだったからです。

そう、普通に考えるとゾウとは、何をやらかすかわからない怪力の持ち主です。逃げ場のない囲われた運動場や寝部屋という空間をゾウと共有しなければならないことは、常に緊張感がつきまとう。だから間接飼育は合理的かつ人間にも安全な方法として、欧米の動物園で編み出された方式です。

でも、でも・・・。

ゾウの心を知り、すべてはわからないまでも気持ちを常に察し、望むものを与え、悪さをしたときにはしっかりとしかる。スキンシップとたっぷりの愛情。同じ生き物同士として尊敬する心。

Mayaがはな子さんだったら、そんな人間の群れの一員になりたい。

過去、辛い経験のあるはな子さんにおやつをあげる触れ合いイベントの導入や、リスク管理をした上で、寝たきりの少年を寝部屋に招待するなど、これは日本の行政が管理する動物園という組織からすると、実に型破りです。

四六時中、自分の担当動物とどう接したらその動物が楽しく暮らしていかれるかを考えてばかりいる、職人技を持った、そんな飼育魂が息苦しくなるような、今の日本社会全体の傾向と言える閉塞感に動物園も飲まれてほしくない。

この本を読むと、そう強く感じずにはいられません。

近年、動物園では筆記試験が強い新人が採用される傾向があるといわれているようです。そんな中から、昔堅気の魂を受け継ぐ飼育員が育ってくれるといいのですが・・・。

動物たちの笑顔が見たい。動物側に立つ来園者としての願いです。

何度、読み返しても涙してしまう1冊。
↓↓



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今月の1冊: 「ゾウと巡る季節」

book

先月、久しぶりにゾウに関する本が出版されましたが、これが素晴しかった。

ミャンマーの森では今でも昔ながらの方法で、ゾウとゾウ使いが森林伐採の仕事をしています。その生活のすべてを追った写真集がこれ。

森に入り、飯場を組み仕事の準備をするゾウ使いたち。必要なものはすべて森からもらったもの使うため、使用後はすべて自然に森に還るのです。

仕事をしていない時のゾウたちは森を自由に歩き回り、好きな相手と恋に落ち、子供が生まれます。そして、生まれた子供には数年後に厳しい訓練が待っている・・・。

人と自然が共存していくためには。

快適な生活や便利さを過度に求めるこの時代、このゾウとゾウ使いの存在には、何か特別な意味があるに違いない、と思わずにはいられません。

こんなにも美しい生き物と美しい人たちが、あとどれくらい森の暮らしをしていかれるのか。

森の精霊たちを通して大切にしていくべきものについて、想いを巡らせています。

こんな本を作った大西信吾さんの思いの深さと志に感動しました。



今月の1冊: 「チャバー タイ象」

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久々の今月の1冊で紹介するのは、9歳半のタイ人の女の子が描いたタイの象の本です。

この物語は作者のブサラー・ブサードちゃんが、バンコクのシーロム通りで子象を見かけたことがきっかけでした。

美しい自然の中で、優しいお母さんと穏やかに暮らしていた子象のチャバー。お父さんは地雷で命を落としましたが、お母さんの愛に包まれて幸せでした。

ところが、ある日、お母さんがトラックに乗せられどこかに連れて行かれてしまいます。そして、いつしかチャバーも美しい森を離れ、都会のコンクリートの上を歩き続ける生活を強いられます。

この物語はブサラーちゃんが想像した、象の視点で書かれています。

ブサラーちゃんが描く愛らしい絵に反して物語はあまりにも悲しく淡々と展開され、その痛々しさに読みすすめるのが辛くなるかも知れません。

子供たちではなく、まず、大人にこの物語の存在を知ってほしい。

そんな気持ちから、タイでこの本を買ってきました。

タイ語と一緒に、英語版と日本語版があります。

読み進めるにはあまりにも悲しい本ですが、愛らしい挿絵の中にちょっとした秘密がありこれがとってもチャーミング。どのページにも必ずウサギがどこかに隠れているのです。

「1頭でも多くの象が幸せになってほしい」、そんなブラサーちゃんの願いがこのウサギからも伝わってくるようです。

今月の1冊: 「オランウータン わんぱくっ子とおかあさん」

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「ジプシー、おやすみ。ジローもキューもゆっくりたべて、おやすみ。子どもたち、はやくおやすみ。」一日がおわるとき、宮本さんは、みんなに声をかけて、あかりをけします。そして、やみのなかでみおくっている十六のひとみを、かけがえのない、たからもののようにかんじます・・・

今日は1980年、今から29年前に出版された本を紹介します。当時、多摩動物公園でオランウータンの飼育を担当されていた宮本さんのお話をもとに書かれた児童書です。

動物のぬくもりを感じるようなお話が書かれている児童書には、ちょっと堅苦しい学術書にはない、理屈抜きで感動してしまう魅力がたくさん詰まっています。それはおそらく、動物と現場で毎日接する方々が生身で体験されていることがストレートに伝わってくるからからなのかもしれません。

もう図書館でしか閲覧できないこの本もそんな1冊。

この本には今も現役で、モリーおばあちゃん(ダンボールに入っている画伯です★)の次にお年寄りのオランウータンとして大人気のジプシーを主人公に、オランウータンの素晴らしい能力、そして不思議な魅力溢れるエピソードが満載されています!

若かりし頃、アイドルだったジプシーさん。ジプシーさんとの間にたくさんの子供を残したドン・ホセとの結婚式。ピンクのベレー帽にタキシード姿でロバにまたがり(似合いすぎる!)、動物パレードを行なったときのお話しは、今のジプシーさんを見ただけでも容易に想像できる楽しさです。

そして、最後は風邪をこじらせ、天国に逝ってしまったドン・ホセとの仲むつまじい生活。2人で知恵を合わせて外出てしまった事件など、きっとこの本に書かれていない、凄いことがたくさんあったんだろうなあ、と思わせてくれます。

また、キューさんの知能テストの様子など、当時はまだあまり知られていなかったオランウータンの頭脳の高さを垣間見れるお話も。

思わず泣いてしまったのは、我が子ジュリーと引き離されたその後にジプシーが取った行動。今のジュリーさんがどんな性格のオランウータンか見ているだけに、複雑な思いで胸が苦しくなります。

この本を改めて読み、多摩動物公園のオランウータンたちに会いに行くと、さらに愛しさが増すこと間違いなしの、素敵な1冊です。

ところで、結婚式の写真は残念ながら、この本で見ることはできません(挿絵のみ)。でも、多摩開園50周年イベント時にフィルムを見る機会がありました。

レースのベールをかぶり、モナリザポーズでちんまり座っていて、もうその頃から貫録だっぷり\(≧▽≦)丿とってもステキでしたヨ。

今月の1冊: 「星の子モーシャ 義足をつけた子ゾウの絵日記」

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地雷を踏んで右前脚を失い、世界で初めて義足をつけた子ゾウのドキュメンタリーがNHKで放映されたことを覚えていらっしゃるでしょうか?

その「星の子モーシャ」の絵日記が本として出版されました。

モーシャを妹のように可愛がる、新米獣医のクアトーンさんがつけていた絵日記で、クアトーンさんのナレーションとともに番組中にも挿入されていました。

素朴なタッチで愛情に溢れたイラストとともに、モーシャのおしゃべりも吹き出しに入っています。

ページをめくっていると、モーシャの言葉が本当にクアトーンさんには聞こえたのかもしれない、って感じさせてくれる可愛さ。

絵日記の最後には、モーシャの写真と共に世界唯一のゾウ専門病院について紹介されています。

また、森林伐採が禁止されたことで、ゾウとゾウ使いが仕事を失ったこと。その一部は生活のために都会で物乞いをしていること。なぜ、地雷を踏むゾウさんがいるのか、などの解説もされています。

脚を失い、お母さんと離ればなれになっても頑張って生きる小さいモーシャは、今年の11月でやっと4歳になるそう。

子供だけでなく、大人にもおすすめです。


プロフィール

mayani

Author:mayani
こんにちは!
Maya(Mayani)です。
「世界の動物ニュース」へようこそ!

動物行動学や環境問題。世界は興味深いニュースであふれています。日本には伝わってきにくい情報。そして、動物や自然を通して感じていることなど。実体験を交えて伝えたい。

どんな動物でも好き。
でもMayaを夢中にさせているのはゾウ★
結果、ゾウの話題が多いのがMayaの「世界の動物ニュース」です。

どうぞ、お楽しみください!

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